蝶ヶ岳のテント場に着いて、おそよ20kgのバックパックからテントを広げる。
朝露で濡れたテントのフライも、日にあてれば、あっという間に乾く。
シュラフにダウンジャケット、あらゆる道具を広げ、湿気を取り払うのがテン場でまず一番にする事。
毎回これをしないと、湿気で不快。極めて不快なのである（笑）



湧くガスの向こうに常念岳が見えた。大天井まで行ったことがあるから、今度はここ、蝶ヶ岳と繋げてみたいと思う。
いつになるかなー
どんなコースなのか、地図の地形や等高線を見ながら、頭の中で登山道をシュミレーションしてみたりする。
蝶ヶ岳から初めて見る常念岳は、以前眺めたものと印象が違う。
どこまでも長く伸びる尾根が印象的で、この尾根もなんだかいやらしい感じがするなぁ…。


テン場に着き、シュラフに潜るまでの僅かな間、山の時間は一層濃くなってゆく。



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テントの設営をしばらく見ていた妻は、いつの間にか眠っていた。
まるで動物が冬眠するかのように。いつもの地鳴りのようなイビキも聞こえてこない（笑）

目を覚ますまでの間、僕は山の景色をいつものように楽しんだ。
強い日差し、風の音、土の匂い、山が奏でる全てを独り占めする。柿ピーと、小屋で買った缶ビールを嗜みながら。

お！起きたな。


ほんと動物みたいだった。



蝶ヶ岳ヒュッテの前に穂高連峰と槍ヶ岳が見えた。
手を伸ばせば本当に届きそうな位置にある。晴れた日、続々と到着する登山客をもてなすため、スタッフも大忙しだろう。

大きな山小屋は今日も賑やかだ。



あぁ　山はいいなー





時折、穂高に雲がかかるが、今日は素晴らしく、すぐにガスがとれた。




山小屋で記念のバッチを買って一休み。
テレビでは甲子園がやっていて、山の頂上にいるのに何だか不思議な感覚だった。
小屋泊も楽しいだろうけど、大きなザックを担いで十分に歩けるうちはテント泊にしようと思った。

相変わらず旨い生ビール。

やはり、山ではこれに限る！

蝶ヶ岳の山名の由来
1640年代（正保）の絵図に蝶ヶ岳の山名の表記があった。 5月下旬から6月上旬頃に、蝶ヶ岳山直下南側の稜線付近に白い羽根のチョウの雪形が現れる。安曇野（安曇野市豊科付近）から見えるこの雪形を農耕の目安としていた。山名の由来はこの雪形に由来している。また5月下旬頃に、蝶ヶ岳の三角点の付近の稜線付近に「黒い蝶」の雪形が見られる。山岳写真家の田淵行男は『山の紋章・雪形』で、この白い蝶をミヤマモンキチョウに例えた。

1.上高地バスターミナルから河童橋まで
2.河童橋から明神館、明神池まで
3.明神館から徳澤園まで
4.徳澤園・徳澤キャンプ場
5.長塀尾根から蝶ヶ岳
6.蝶ヶ岳ヒュッテ・蝶ヶ岳キャンプ場1